
東京は世界有数の大都市である一方で、西側には四季折々の美しい景色が楽しめる自然豊かなエリアが広がっています。
奥多摩町は、全域が秩父多摩甲斐国立公園に指定されており、豊かな自然が広がる地域です。
急峻な山々が連なり、渓流や滝が織りなす風景は、四季折々の美しさが楽しめます。
特に春の新緑、秋の紅葉は圧巻です。
また、石灰岩が広く分布し、日原・倉沢・小袖・養沢・大岳沢には鍾乳洞が存在します。
奥多摩には冷温帯から暖温帯にかけての植物が多く分布しています。
カタクリやツツジ、シャクナゲの仲間などの春の花、カエデ類の秋の紅葉が有名です。
奥多摩湖の周辺や日原谷一帯は、東京都水源かん養林となっており、水源地帯として重要な役割を担っています。
鳩の巣渓谷

鳩ノ巣渓谷(はとのすけいこく)は、奥多摩町にある渓谷です。
多摩川が秩父古生層を浸食して作り上げた渓谷で、紅葉の名所です。
約40mの断崖の下を流れる多摩川が、巨岩・奇岩の間を流れる姿はまさに壮大。奥多摩きっての渓谷美といわれています。
鳩の巣の名称の由来は、江戸時代にさかのぼります。
明暦の大火で荒廃した江戸の復興のために奥多摩の木材が多数伐採され、多摩川を通じて江戸に運ばれました。
この渓谷付近に水の神様を祀る水神社が建立され、この水神社に二羽のハトが巣をつくりました。その鳩を村人達が霊鳥として愛護したことからこの地は、鳩ノ巣と呼ばれる様になったと言われています。この水神社は、現在も祀られています。
武蔵御嶽神社

武蔵御嶽神社 (出典:青梅市観光協会)
御岳山(みたけさん)は、東京都青梅市にある標高 929m の山です。
ケーブルカー御岳山駅から歩くこと30分。山頂にある武蔵御嶽神社(むさしみたけじんじゃ)に到着します。
見晴らし抜群で、天気のいい日は、新宿のビル群や遠く横浜、相模湾、江の島などの絶景を楽しむことができます。
武蔵御嶽神社は、崇神天皇7年(紀元前91年)の創建とされ、古くから霊山として信仰の対象とされてきました。
境内には、本殿・拝殿をはじめ数々の神を祀るお社があります。
特に「おいぬ様」として親しまれる大口真神(おおくちのまかみ)は、ニホンオオカミの神様です。

武蔵御嶽神社 (出典:青梅市観光協会)
狼はオオカミ(大神)ともいわれ、日本では古代から神の使いとして崇拝されていました。ニホンオオカミが、神になった由来は、次のように伝えられています。
日本武尊(やまとたけるのみこと)が東征の際、深山の邪神が大きな白鹿と化して道を塞ぎました。
白鹿を退治しましたが、雲切が発生し、日本武尊は道に迷ってしまいます。そこへ、忽然と白狼が現れ、西北へ軍を導いたのです。
日本武尊は、白狼に「災いを防ぎこの地を守護せよ」と命じ、白狼はその言葉に従い、大口真神(おおくちのまかみ)として御岳山に留まったのです。
江戸時代から大口真神は、魔除け・盗難除けの神として広く知られ、親しみをこめて「おいぬ様」と呼ばれるようになりました。
武蔵御嶽神社ではおいぬ様にちなんで、犬を連れて参拝できるほか、愛犬の祈祷をおこなっています。